土蔵の顔は、もちろん2枚の扉！

デカくて、ぶ厚くて、炎から守るよう設計された工夫と知恵のカタマリ…。土蔵を作る総工費の約半分を扉に費やすくらい重要らしく、弐之町ヤードにもぶ厚い扉があります。ネズミにかじられた跡や長年の劣化で少しだけ傾いていますが、でもなんかカッコいい！。

内部にも素晴らしい工夫が詰まっています。

1階は米・麦・豆などの穀物や、味噌・漬物などの保存食が保管され、2階には大事な家財道具などの貴重品が保管されていたとのこと。1階入り口すぐの土間部は、地面からの湿気と一定にキープされた温度が、味噌や漬物の味を決める絶妙なエッセンスとなり、奥半分に仕切られて一段上がった板の間には穀物が収納されていて、一年中食料を確保できる、まるででっかい冷蔵庫！そんな素晴らしい土蔵を蘇らせるべくして、ゲストハウスに作り変えました。

新しい木材に交換できるよう、ちゃんと設計されている作りのようだが、わたくしも先人 に負けないよう、腐食部分の取り替えや新しい柱の補強をやりました。 土台の材料は、古民家で使われていた物を再利用、柱は飛騨産ヒノキ、壁は防虫効果の強い飛騨産のネズ。メインの一枚テーブルには、奥飛騨からやってきた栓の木、全て飛騨産にこだわりました。

空は近い山は深く夏短くて雪多し。120年の歴史ある土蔵で、飛騨を感じ取って頂けたら幸いです。